子どもの頃、私は動物に囲まれて育ちました。大人になってからも保護犬や保護猫たちの里親となり、家族として一緒に暮らしてきました。中でも、愛犬そらと愛猫すばるは特別な存在。2匹とも人が苦手ですが、とても仲がよく、お互いを信頼し合う姿もありました。
歳を重ね、私も生涯を共にする人と出会い、家族に彼を初めて紹介した時のこと。来客中はめったに出てこないはずのすばるが、なんと自ら彼の近くまでやって来たのです。人見知りなので部屋の引き戸を閉めていたのですが、少しの隙間から入ってきました。ゆっくりゆっくり彼の足元へとやってきて、彼を確認すると足に擦り寄り、またゆっくりと去っていきました。珍しい出来事に、家族みんな驚きました。
そしてその余韻が消えぬ間に、すばるは天国へと旅立ちました。結婚が決まり、婚約指輪を探していた時、ふと目に止まった「アステローペ」。和名は「すばる」。私たちの縁をより深いものにしてくれた愛猫すばると同じ名前の指輪に出会い、運命を感じました。彼も即決してくれました。
結婚式を終えた今でも、私の薬指を輝かせてくれているアステローペに、いつも愛猫すばるを感じています。彼はあの日のことを振り返り「託されたんだろうね」と話しています。すばるには、今幸せだよと伝えたい。残されたそらが、うっとりした顔で彼に抱っこされていることも。そして、指輪を決めた時、私の話を聞いて涙してくださったアイプリモの担当者の方には、今でも感謝があふれます。
(大分県 L.Hさん)