気になる!結婚事情

プロポーズや婚約指輪の意義、結婚指輪の選び方、結婚式までの準備など、結婚にまつわるいろいろについて解説します。

マリッジリング?ウェディングリング?結婚指輪の意味とは

日本では、結婚指輪のことを「マリッジリング」と呼ぶことも珍しくはありません。マリッジという言葉の響き自体も可愛らしく、「結婚指輪」よりも好んで使われるケースもしばしばあります。しかし、実はこの言葉、海外では使われていません。それでは「結婚指輪」はどのような言葉で表現され、どのような意味が込められているのでしょうか。


■「マリッジリング」は和製英語
「結婚指輪」を英訳する場合は、「wedding band(ウェディングバンド)」、あるいは「wedding ring(ウェディング)」が正解です。前者はアメリカで、後者はヨーロッパで広く使われています。
「マリッジリング」は、いわゆる和製英語のひとつ。サラリーマン(英語ではoffice worker)やノートパソコン(英語ではlaptop)といった言葉と同様、日本人が英語と英語を組み合わせて作った造語になります。

■「マリッジ(marrige)」と「ウェディング(wedding)」の意味は異なる
日本人の感覚では、「どちらでもいいのでは?」と思ってしまいますが、英語圏のネイティブスピーカーに「マリッジリング」と言うと、意味は伝わるでしょうが、少し奇妙に思われるかもしれません。
2つの言葉は微妙な意味の違いがあります。辞書で調べてみると「marriage」のほうは「結婚、婚礼、縁組み、夫婦関係、結婚生活」といった意味を持ち、「背景の暗示や感情的な含みのない一般的な語」とされています。
一方、「wedding」は「強い感情的な含みがあり、結婚式とそれに伴う祝宴を指す」「結婚する、嫁ぐ、夫や妻にする」という意味の動詞「wed」の進行形として派生した言葉」とされています (参照:ランダムハウス英和大辞典)。

つまり、「親密な固い絆を結ぶ記念」という意味でロマンティックに使いたい場合は、「ウェディング(wedding)」が最適。由来から考えても、意思のある結婚という能動的なイメージを持ちますよね。海外の人からすれば、「マリッジリング」は「婚礼用指輪」「縁組用指輪」といった堅苦しい、事務的な言葉に聞こえてしまうのかも(!?)しれません。

■結婚指輪の由来から考えても、「ウェディング(wedding)」がベター
結婚指輪の由来から考えても、「ウェディング(wedding)」のほうがベターだと言えそうです。
以前のコラム(https://www.iprimo.jp/columns/cc_3/column84.html)でも紹介していますが、結婚指輪が欧州で一般層にまで広まったのは、中世時代、9〜13世紀頃とされています。9世紀に当時のローマ教皇が、結婚指輪を結婚の証明として用いたという伝承があり、11世紀の書物にも「結婚式で指輪交換をした」という記録が残っています。

家族意識の根強いアジア圏に比べると、欧米はキリスト教圏ということもあり、伝統的に、対になるパートナーとの愛や精神的な結びつきを重視する風潮があります。現代は、さらに「愛さえあれば、どんな形でも構わない」という考えの人が増えており、多様な結婚制度を採用していますよね。
そうした風潮から考えても、欧米の方々の感覚からすると、能動的な“愛の証”としての指輪は、「ウェディングリング(バンド)」というほうが感覚的にぴったりくるのかもしれません。

一方、日本に結婚指輪が入ってきたのは西洋の文化が流入した19〜20世紀頃。大正時代になると一般層にも認知が広がり、結婚式で贈り合う習慣を取り入れる夫婦も出てきたと言われています。「マリッジリング」という言葉も、その頃にできたのかもしれませんね。

日本の結婚業界ではすっかり定着している「マリッジリング」。国内で使う分には全く問題ないですし、実際のところ「ウェディングリング(バンド)」と言うよりも伝わりやすいでしょう。他の和製英語と同様、「海外の人と話すときだけは、そう言ったほうがスムーズにコミュニケーションが取れる」という点だけ理解しておくとよさそうです。

ただ、「せっかくだし、ロマンティックな意味のある言葉のほうで呼びたい」、というカップルはあえて“ウェディングリング”のほうを用いるのも素敵かもしれません。結婚式の進行の際、「ウェディングリングの交換です」といった言葉を使ってみるのも一興ではないでしょうか。